悲しきアップデート・その4――「見えない」ということ 40
前回どこまで書いたんだっけと読み返してみたら、文章がやたら
とっ散らかっている。わけがわからない部分すらあるが、それは
そのまま、あのときの僕の絶望的な気分を表しているのだな――と
好意的に受け取っていただければ幸いである。
さて、記憶によれば、たしかこの頃合いで携帯が鳴った。実は、
最終的に見える人の助けが必要となるかもしれないと、助っ人に
SOSのメールを送っておいた、その返事だった。夜には梅ヶ丘
界隈に戻っているので連絡を、というありがたいお言葉。これで
ちょっとホッとする。
でもむろん、一国も早く解決したい状況でもあった。それで、
電話線でつながれた二人三脚に戻った。
しつこいようだが、XPならばどのキーをどのじゅんばんで押せば
どこに行くのか、だいたい見当はつくのだ。使い慣れていたことは
もちろんだが、そもそも設計というか論理がシンプルで、
わかりやすかったし、知らない状況への応用もきいた。しかし7は、
タブキーと左右矢印、上下矢印キーの使い分けがややこしかったり、
同じキーを押しても、妙に気をきかせたつもりか別の場所に連れて
いかれたり、どうにもマスターできないというか、マスターする
気がなかなか起こっていなかったのである。
そこで二人三脚のパートナーが、向こうでも同じ画面を開き、
キー操作をナビしてくれることになった。
まず、送られたメールを開き、添付されたモジュールを保存する。
ここまでも、Liveメールというソフトがけっこうひねくれた
つくりになっているので、一本道ではいかない。
保存されたモジュールはスタートメニューのドキュメントに入って
いるはずだが、カタカナの「ドキュメント」を椿は読んでくれない。
それでも、さすがにドキュメントの場所はわかっていたので、
ここだという「無言」の場所でエンターキーを押す。目論見どおり
ドキュメントは開いたようで、ファイル名の「FocusTalk」の
英字を椿が読み、モジュールは、無事に発見された。
指示に従って拡張子を書き換え、エンターキーで実行。
問題はここからだ。
指示されたショートカットキーを操作しても、想定された結果が
起こらない。鳴るべき警告音が鳴らないし、椿がデタラメに読む
文字情報からしても、開いているウィンドウが想定されるものとは
違うような気がする。
あれこれ試しているうちに、椿はうんともすんともしゃべらなく
なり、やむなく電源ボタンで強制終了。
再起動してふたたびトライ。しかしまた迷子になり、今度は正規の
シャットダウンから再起動。
もはや、この方法はあきらめざるをえなかった。
そこで僕は、Focustalk本体のインストール用ディスクは、
セロテープで目印ならぬ手しるしがつけてあるので、探し出せると
告げた。そして、いったん現在のFocusTalkをアンインストールし、
ディスクからインストールし直すという、まわりくどい方法に
切り替えることにした。
ああ、作業も終わらない、ブログも終わらない……。(続く)
2013年05月08日
2013年04月27日
悲しきアップデート・その3
悲しきアップデート・その3――「見えない」ということ 39
電話を受けたのは今度は男性、僕がFocusTalkを購入して以来、
問合せ、相談、グチのほとんどにつき合ってくれている人である。
そのためか、腹の虫3匹はうごめき続けてはいるけれど、
おさまらないほど暴れ出しはしない。
状況を説明し、受話器を通して、FocusTalkのフザケるにもほどが
ある読みっぷりを聞かせる。
もちろん対処法は、相談するまでもなくわかっていた。別の
モジュールを使ってダウングレード、つまり一つ前のバージョンに
戻せばいい。僕の隣かヒザの上かに目の見える人が座っていれば、
ものの5分で解決する。だがしかし現実は、見える人は押入れの
中を探してもいないどころか、僕に絶対忠実なはずの椿ちゃんが、
すっかりグレてしまっているのである。(「椿」はFocusTalkの声の
名前、詳しくはとっても昔のブログ参照。以下「FocusTalk」の
代わりに「椿」の呼び名を使うことにする)
ちょっと触れたとおり、前回のアップデートのときにも、
ネットからのダウンロードがうまくいかなかったので、CDで
モジュールを送ってもらっていた。そのディスクがどれなのかが、
まずもってわからない。XPのほうのディスクドライブが健在なら、
そこそこの時間をかければ見つけることもできただろうが、その
ドライブが動かなくなったので7を買ったという次第なのだから、
お話にならない。操作に自信のない7で、グレた椿を頼りに
ディスクの中身を確認していくのに何年かかることか……。
また、椿が正常でも難しいネットからのダウンロードには、
何世紀かかるかわからないということで、とりあえずメールに
モジュールを添付して送ってもらうことにした。そしてそれは無事
届いたらしいことが、英字だけは読む椿のおかげでわかったものの、
今度はその添付ファイルをどうやって保存するかがイマイチよく
わからない。XPのOutlook Expressなら一瞬の作業なのだけれど……。
さらには、こちらのメールソフトがWindows Livemailであると
知った受話器の向こうの担当者は、エグゼファイルはブロック
される恐れがあるので、拡張子を変えて送りなおすから、保存した
のちこちらで拡張子を変更してから実行してくださいと言い出した。
このあたり、何のことかわからない方(いや、僕自身もちゃんと
わかっているわけではない)は、あちらをふさげばこちらから
出てくる、ミニ・ゴキブリたちの映像に置き換えて読んで
いただければ十分である。さて、ここらでひとまず……(続く)
電話を受けたのは今度は男性、僕がFocusTalkを購入して以来、
問合せ、相談、グチのほとんどにつき合ってくれている人である。
そのためか、腹の虫3匹はうごめき続けてはいるけれど、
おさまらないほど暴れ出しはしない。
状況を説明し、受話器を通して、FocusTalkのフザケるにもほどが
ある読みっぷりを聞かせる。
もちろん対処法は、相談するまでもなくわかっていた。別の
モジュールを使ってダウングレード、つまり一つ前のバージョンに
戻せばいい。僕の隣かヒザの上かに目の見える人が座っていれば、
ものの5分で解決する。だがしかし現実は、見える人は押入れの
中を探してもいないどころか、僕に絶対忠実なはずの椿ちゃんが、
すっかりグレてしまっているのである。(「椿」はFocusTalkの声の
名前、詳しくはとっても昔のブログ参照。以下「FocusTalk」の
代わりに「椿」の呼び名を使うことにする)
ちょっと触れたとおり、前回のアップデートのときにも、
ネットからのダウンロードがうまくいかなかったので、CDで
モジュールを送ってもらっていた。そのディスクがどれなのかが、
まずもってわからない。XPのほうのディスクドライブが健在なら、
そこそこの時間をかければ見つけることもできただろうが、その
ドライブが動かなくなったので7を買ったという次第なのだから、
お話にならない。操作に自信のない7で、グレた椿を頼りに
ディスクの中身を確認していくのに何年かかることか……。
また、椿が正常でも難しいネットからのダウンロードには、
何世紀かかるかわからないということで、とりあえずメールに
モジュールを添付して送ってもらうことにした。そしてそれは無事
届いたらしいことが、英字だけは読む椿のおかげでわかったものの、
今度はその添付ファイルをどうやって保存するかがイマイチよく
わからない。XPのOutlook Expressなら一瞬の作業なのだけれど……。
さらには、こちらのメールソフトがWindows Livemailであると
知った受話器の向こうの担当者は、エグゼファイルはブロック
される恐れがあるので、拡張子を変えて送りなおすから、保存した
のちこちらで拡張子を変更してから実行してくださいと言い出した。
このあたり、何のことかわからない方(いや、僕自身もちゃんと
わかっているわけではない)は、あちらをふさげばこちらから
出てくる、ミニ・ゴキブリたちの映像に置き換えて読んで
いただければ十分である。さて、ここらでひとまず……(続く)
2013年04月24日
悲しきアップデート・その2
悲しきアップデート・その2――「見えない」ということ
(「とんでもございません」シリーズの続きを期待された方には
申し訳ない。正直あちらは、ああ見えて簡単ではないのです。)
Windows7は使いづらいと散々こぼし、いまだにその「構造」を
理解できていない僕ではあるが、それでもスピーカーの切り替え
スイッチを買って、XPとの併用をラクにできるようにしてからは、
そこそこ使うようになっている。スタートメニューの項目の
並び具合くらいは、なんとなくわかっていた。
まずは不便だったインターネットの読み上げを確認したかったので、
Windowsキーでスタートメニューを開き、カーソルを矢印キーで
下げていく。「ウインドウズ・メディア……(最後まで聞く必要は
ない)」、「インターネット・エクス……(これは64ビット版なので
スキップ)」、「アダ○△(忘れたが、アで始まる意味不明のフレーズ)」
ん? 「アビー」、何だ?! ここは「付箋」「メモ帳」と続いて
いるはずだが。
そのしたの「インターネットエクスプローラー」は読んだので、
ともかくもこれを選択。「お気に入り」からFacebookを開こうと
altキーを押す。これでカーソルはメニューバーに移り、「ファイル・
エフ・サブメニューあり」と読むはずが、「エフ・サブメニューあり」
としか言わない。右矢印で移動すると、「編集」「表示」「お気に入り」
と読んでいくところで、ひたすら意味不明の音を連ねている。
実は、ネットのページの内容はちゃんと読むのだが、システムや
ソフト自体の情報、項目名などの読み上げがダメらしい。それも、
英字は大丈夫で、日本語だけが読めなくなったようだ。
一時的なものかもしれないので、一度再起動してみることにした。
再びスタートボタン。おそらく「検索ボックスのエディット」の
つもりなのだろう、「ち…………のエディット」と聞こえる。ここで
タブキーを2回押せば「シャットダウン」の項目に行くはず。
やはり意味不明の音を無視してエンターキーを押すと、「チャラン」
と最近耳になじんできた音が。シャットダウンに成功したようだ。
しばらく待って起動しなおしてみたが、状況は改善していなかった。
FocusTalkサポート窓口にこの日何度目かの電話をかける。そして
ここから、8年ほど前に突如大量発生したミニ・ゴキブリを相手に
したとき以来の消耗戦が始まった。(続く)
(「とんでもございません」シリーズの続きを期待された方には
申し訳ない。正直あちらは、ああ見えて簡単ではないのです。)
Windows7は使いづらいと散々こぼし、いまだにその「構造」を
理解できていない僕ではあるが、それでもスピーカーの切り替え
スイッチを買って、XPとの併用をラクにできるようにしてからは、
そこそこ使うようになっている。スタートメニューの項目の
並び具合くらいは、なんとなくわかっていた。
まずは不便だったインターネットの読み上げを確認したかったので、
Windowsキーでスタートメニューを開き、カーソルを矢印キーで
下げていく。「ウインドウズ・メディア……(最後まで聞く必要は
ない)」、「インターネット・エクス……(これは64ビット版なので
スキップ)」、「アダ○△(忘れたが、アで始まる意味不明のフレーズ)」
ん? 「アビー」、何だ?! ここは「付箋」「メモ帳」と続いて
いるはずだが。
そのしたの「インターネットエクスプローラー」は読んだので、
ともかくもこれを選択。「お気に入り」からFacebookを開こうと
altキーを押す。これでカーソルはメニューバーに移り、「ファイル・
エフ・サブメニューあり」と読むはずが、「エフ・サブメニューあり」
としか言わない。右矢印で移動すると、「編集」「表示」「お気に入り」
と読んでいくところで、ひたすら意味不明の音を連ねている。
実は、ネットのページの内容はちゃんと読むのだが、システムや
ソフト自体の情報、項目名などの読み上げがダメらしい。それも、
英字は大丈夫で、日本語だけが読めなくなったようだ。
一時的なものかもしれないので、一度再起動してみることにした。
再びスタートボタン。おそらく「検索ボックスのエディット」の
つもりなのだろう、「ち…………のエディット」と聞こえる。ここで
タブキーを2回押せば「シャットダウン」の項目に行くはず。
やはり意味不明の音を無視してエンターキーを押すと、「チャラン」
と最近耳になじんできた音が。シャットダウンに成功したようだ。
しばらく待って起動しなおしてみたが、状況は改善していなかった。
FocusTalkサポート窓口にこの日何度目かの電話をかける。そして
ここから、8年ほど前に突如大量発生したミニ・ゴキブリを相手に
したとき以来の消耗戦が始まった。(続く)