2013年04月10日

殴る蹴る

昨日の「鈍器」のついでに、もう一つ犯罪ニュース関連で
気に鳴る言葉を。

「殴る蹴るの暴行を加える」という表現があるが、これが最近、
「殴る、蹴るなどの暴行」と、「など」入りの原稿になっている
ことがおおいように思う。全部が全部そうなのか、局によって
違うのか、ちゃんと調査してはいないのだけれど。

もちろんこれは、暴行の内容が「殴る」と蹴る」だけだったとは
かぎらない、引きずったり髪の毛を引っ張ったりもあっただろう、
ということで、正確を期した表現なのだと考えられる。でも僕は、
この言い方に少々違和感を覚えるのだ。

「殴る蹴るの暴行」とは、暴行の激しさを表すそれこそ
決まり文句であり、実際に殴ったのか、蹴りは入れたのか
入れなかったのか、ほかのこともしたのかというあたりは
関係ない、と僕は考えている。つまり、「ボコボコにする」
「ボコる」というのと同じ意味なのだと。

一方「など」が入ると、それは事実を正しく伝えるための表現と
いうことになる。したがって、加えられた暴行の中に、「殴る」と
「蹴る」は間違いなく含まれていて、それ以外の行為もあった
わけである。
日本語の「など」はあいまいさを許してくれる便利な言葉なので、
殴る・蹴る以外に何かあったかどうかはあまり問われないとして、
もし実際には殴るばかりで蹴っていなかったとしたら、この
ニュウースは誤りということになってしまう

それよりそもそも、である。
公園で少年たちがホームレスを襲い、あるいはタクシーの料金で
もめ、あるいは暴力団の対立で、暴行を加えたと聞けば、
ああ、殴ったり蹴ったりしたんだろうな、とわれわれは当然の
ように考える。そこに「殴る、蹴るなどの」という言葉を
つけ加えても、なんら新しい情報を伝えたことにはならない。
これに対し、やや繰り返しになるが、「殴る蹴るの暴行」ならば、
暴行の激しさ、あるいは理不尽さのようなものが、なんとなく
伝わるように思う。

単に「暴行」というか、「激しい暴行」というか、あるいは
「殴る蹴るの暴行というか。「殴る蹴るなどの暴行」はない、
と思うのは僕だけか。
posted by しんどう at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | チョイ気になる言葉
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