夏場の節電の大敵といえば、言うまでもなくエアコンである。
でも、わが家は例年、ほとんどエアコンを使わずにすごしてきた。
うちの中で僕の滞在時間がもっとも長いパソコン・デスクは、
南側の窓際にある。その窓と、北側のベランダに出るガラス戸を
開け、間のフスマもすべて開けると、風が一直線に抜けるので、
気温が高くてもわりと会的にいられるのだ。しかし、この夏は
そうはいかなかった。
先ほどの南の窓から手を伸ばすと、屋上の手すりがつかめて
しまうというお隣の、鉄筋(と思われる)二階建ての解体工事が、
3週間ほどにわたって行なわれたのである。その騒音たるや、
隣でビルの解体工事でも始まったんじゃないか、と思って
しまうほどすさまじかった。
その音の真っ只中で働く現場の皆さんのことを思いやれば、
文句など……ときれいごとは言っていられない。音は僕の一番
重要な情報収集の手段、頼みの綱なのだから。愛しの椿ちゃん(注)
の声すら聞き取れなくては、もはや何もできない。
しかし、窓を閉じたとたん、日当たりのいい南の部屋は、
ハイビスカスも咲き乱れようかという環境になる。窓1枚では
とても防ぎきれない騒音とあいまって、やはりそのままでは、
何をしようという気も起こらない。
だから、こないだあんなえらそうなことを書いておいて
お恥ずかしいかぎりだが、心の中で地団太を踏みつつ、
エアコンのスイッチを入れてしまうことが少なくなかった。
それでも、その間の電気料金は、節電作戦着手前の平均的な
金額とあまり変わらなかったので、まあ良しとした次第である。
その解体工事が10日ほど前にようやく終わり、千週1週間は
エアコンをまったくつけずに過ごすことができた。そのルンルン
気分の中で、前回の「節電now」を書いたのだった。
ところが今朝から、建設工事が始まってしまったのである。まあ、
壊したあとがトウモロコシ畑になるとは思っていなかったから、
予期していたことではあるけれど……。
今度は、まるでビルでも建て始めたかのような騒音で、やはり
窓が開けられない。
折りしもの厳しい残暑。東電の余命は2カ月ほど延びることに
なりそうだ。
*注 声はすれど姿は見えぬナゾの女性。正体を知りたくば、
本ブログで「椿ちゃん」を検索されたし。
2012年08月21日
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我が家も毎年クーラーはつけずにいたのですが、体調の悪さと友人からの助言もあり、閉め切って二胡を弾く時だけはクーラーいれることにしました。理由はどうあれ、長年クーラー無しの生活をしてる人間にとってはスイッチをオンにするときのなんともいえない感情は共通のものなんだなと真藤さんの文章よみながら思いました。
ソーセージ、気になるなぁ…
工事中は、逆に窓全開で尺八の練習もありかなと思ってますが、まだ実行はしてません(笑)。
ソーセージはまだ行方不明のままです。