2011年07月25日

椿ちゃん・その2

椿ちゃん・その2――「見えない」ということ (たぶん)19

僕がこれまで「読み上げソフト」と呼んできたものは、正式には
「スクリーンリーダー」というジャンルに属するソフトらしい。
僕が使っている「FocusTalk(以下FT)」のほかにも、「PC Talker」
「JAWS」などいくつか種類があるが、うちのPCの環境との
相性、僕のフトコロとの相性を考えて、FTを選んだ。

したがって、これから紹介するのは「FT」の機能なのだけれど、それでは色気がないので、ここではFTを「椿」と言い換える
ことにする。椿(本当は「つばき」)は、前回説明したとおり、
FTが用意している合成音声の一つ、僕がもっぱら選んで使って
いる女性の声につけられた名前だ。

さて、まず椿がやってくれるのは、PCのディスプレイ画面上に
表示されている文字を読み上げることである。マウスカーソル、
例の矢印が指した項目を読む機能もあるが、もちろんこれは、
僕のような見えない人間には役に立たない。

実は、キーボードの操作によって、特定の項目を「選択」状態、
つまりマウスカーソルで指した、もしくはワンクリックしたのと
同じ状態にすることができる。そして、タブキーや上下左右の
矢印キーを使って、選択状態を別の項目に移動させられるのだ。
これはツバキの手柄というわけではなく、OS(うちの場合は
WINDOWS)がもともと持っている機能だが、マウスを使い
慣れた人には意外と知られていないようだ。

項目が選択されると、椿がその文字情報を読んでくれる。
たとえばアイコンの名前、「実行」「キャンセル」などのボタン名、
ウインドウ内のメッセージなどだ。目的の項目に行きついたら、
そこでリターン(エンター)」キーを押すと、そのボタンの操作が
実行されたり、ファイルが開いたりするのである。

こうして僕は、画面上のたいがいのモジ情報を読むことができ、
マウスを使わずにたいがいの操作が可能となっているわけだ。
「たいがい」に入らないもの、読めない文字やできない操作が
何かは、知ったところで明日もあさっても使えない雑学なので、
踏み込まないことにする。

自分の書いた文章、もらったメールなどの文書ファイルに
ついては、1文字ずつ読ませたり、1行ずつ読ませたり、
選択範囲を読ませたり、全文を読ませたり、読むのを中断
させたりと、かなり自由自在だ。これももちろん、キーボードで
すべて操作できる。

椿のお仕事のもう一つは、文字の入力の補助である。今こうして
この文章を書いている瞬間も、彼女はまさに活躍中なのである。

たとえば、僕はローマ字入力なので、「sinndou」と打ち込んで、
変換(スペース)キーをしたとする。すると椿は、「全角カタカナ、
シ、ン、ド、ウ」と言う。親しい人へのメールの署名にカタカナ
書きの「シンドウ」を使うので、これが変換候補の第一順位に
なっているのである。

もう一度スペースキーを押すと、画面上では選択が次の候補に
移り、椿は「真心のま、しん、藤の花のふじ、とう」と言う。
僕の名前「真藤」だ。さらにスペースキーを押せば、3番めの
候補を、「三振するのしん、ふる、動物のどう、うごく」と読み
上げる。かりにここでリターン(エンター)を押すと、画面には
「振動」と表示されることになる。

漢字の読み方の設定はいろいろ変えられるのだが、一番丁寧な
パターンにしてある。だから誤変換は、ゼロにしようと思えば
できるはずなのだ。それなのに残ってしまうのは、あまりにも
バカ丁寧に一文字ずつを読む椿にシビレを切らして、次の文字を
打ち始めてしまうことが多いからだ。

これで僕が、愛する椿と二人三脚(?)でブログに挑んでいる
姿を、多少なりともご想像いただけただろうか。皆さんにはもう
一度だけこの椿ちゃんにおつきあいいただくことにして、次は
椿のボケっぷりについて書くことにする。
posted by しんどう at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 「見えない」ということ
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